白バイ隊を見終わり、
そろそろ駐車料金が気になる時間帯、
出口へ向かって歩くスピードを上げた時だった。
聞き覚えのある小太鼓のリズムが聞こえてきた。
「これはっ!」と速攻で方向転換し、人だかりの中を覗くと、
普段着の高等工科生がドリルを披露していた。
横田基地でドリル演武を見れるとは思っていなかったので、
すぐに群衆に交じる事に。
制服を着ていない状態でのドリル演武を見るのは初めてだ。
見慣れない光景にとても不思議な感じがしたが、
広報の方によると、
明日の本番を前にしたリハーサルらしい。
なので次の日もフレンドシップふぇふに来る羽目に(笑)
自衛隊の記念行事と横田基地日米友好祭の大きな違いは、訪れる人だ。
自衛隊は関係者か防衛に興味のある人が多くを占めるが、
フレンドシップフェスティバルに来る人は基本的に軍事に興味が無い。
これは福生が街をあげてフェスティバルを盛り上げている事が大きく、
訪れる人は身近なアメリカを感じに来る人が多い。
この時しか買えないケーキや珍しい飲み物、
普段あまり接点のないアメリカ人と話すことも出来る。
そんな勝手の違う友好祭も、実は自衛隊にとっては、
「防衛に全く興味の無い人」
にアピールする絶好のチャンスであるのだ。
さてドリル部の出番がやってきた。
昨日と打って変わってビシッとした制服姿だ。
ただ会場の雰囲気は明らかに異質である。
ここにいるのはドリルどころか高等工科学校の存在すら知らない人達だ。
期待や緊張感といったものは全く無く、暇つぶし感すら漂っている。
ドリル演武は一般人の厳しい目に適うのか、、、
部外者の自分にとっても緊張の一瞬だ。
どうやら自分の心配は的外れであったようだ。
ベレー帽を被った高校生がいとも簡単に小銃を操る姿は観客を熱狂させ、
会場は一気に興奮に包まれていく。
はっきり言って駐屯地祭では見られない盛り上がり方だ。
感激で思わず言葉が止まらなくなる人もいる。
どうしても拍手がしたくて、フライングする人もいる。
それは正に一般客に高等工科学校の存在をアピールし、
インパクトを与える事に成功した瞬間であった。
この観客の中に高等工科学校を目指す人が出てくるかもしれない。
そしてここでドリルをするかもしれない。
素晴らしいドリル演武を見せてくれた高等工科学校の生徒に感謝。