カーテンを開けると眩しいくらいの晴天、
そういえば去年も同じくらいいい天気だった。
時計はあと数分で7時をさす。
風呂に入る時間もありそうだ。
充電器を引っこ抜き、
魚沼産こしひかりが自慢というホテルの朝食を済ませ、
新潟駅から特急に乗り込む。
新発田駐屯地を知ったのは、
新潟に住む友人からだった。
「こっちでは自衛隊のパレードがあるよ」
商店街が戦闘服姿の人達で占拠される、
東京では有り得ない行事に興味を持ち、
新発田の街を訪れたのが去年のことだった。
新潟県北部にある城下町だ。
のどかな風景が続く単線のレールの上を、
場違いな特急列車が走り去る。
小奇麗な駅を降りると、
自衛隊のピックアップバスが待っていた。
1時間に1本程しかないローカル線の駅、
バスに乗る客も多くはない。
震災の影響もあり、
残念ながら今年は市内パレードは行われない。
記念行事も規模を縮小しての開催だと言う。
バスは毎年パレードが行われる長い商店街を走る。
休みなのかとても静かだ。
海上自衛隊の方が運転するバスは、
雪国を思わせる赤茶けた道路を進む。
駐屯地開放は沢山の人の協力があって成り立っているんだな、
そんな事を考えていたら城が見えてきた。
旅の終着地、新発田駐屯地だ。
「菖城魂 部隊のために、仲間のために、人のために、」
パンフレットに書かれた大きなスローガンが目に留まる。
あやめ城とは市民が親しみを込めて使う新発田城の別称で、
自衛隊の誇りでもある。
菖城魂を胸に九州で奮闘している自衛官も多いに違いない。
今回は縮小開催となってしまったが、
そう思わせない見事な記念行事だったと思う。
画像を見返していたら、
帰りの新幹線はあっと言う間であった。
新発田駐屯地 開設63周年記念行事 第30普通科連隊創隊54周年
平成28年5月15日(日) 8:30~15:00
記念式典 10:00~11:00
訓練展示 11:00~12:00
装備品展示 12:40~15:00