記念行事のお知らせには、
「悪天候時は中止します」という注意書きがある。
雷等明らかに危険な場合は分かるのだが、
たまにある雨で中止になった記念行事のブログを読んでいると、
開催と中止の境界線がどうしても気になってしまうのだ。
自分の住む関東の場合、
少しの雨で中止になったケースもあれば、
去年の防衛大学校のように雨の中、訓練展示が行われることもある。
駐屯地によって基準が違うようなので、
雨の日の記念行事の見極めはとても難しい。
今回の北海道遠征も正に天候との戦いであった。
ただ関東とは少し事情が違うようだ。
旅は序盤からアクシデント発生で、
予約した飛行機が欠航、、、
他社便振り替えで無事に新千歳空港には着いたのだが、
嫌な旅の始まり方だ。
夜は現地の友人に誘ってもらい
豪華に寿司会食となった。
そこでの話題はユーロとやはり天候についてだ。
友人曰く、ここ数年は北海道にも梅雨があるらしい。
どこも異常気象だ。
そして残念な事に、記念行事当日の朝は土砂降りの雨。
ここまで来て行かないわけにもいかないので、
カメラの準備をして出発だ。
駐屯地で一番最初にする事は、今日の式典の確認だ。
恐る恐る聞いてみると、意外にも観閲式だけでなく
訓練展示も予定通り開催されるらしい。
もう歓喜の雄叫びを上げたい気分だ。
ただ地元の人の格好を見て思ったのだ。
みな雨具の上からカッパを被り、足元は長靴という完全防水装備。
更に傘まで持っている人もいる。
豪雪地帯に住む人にとってみれば、
これくらいの雨は「悪天候」ではないのかもと。
雨はやむどころか、激しくなっていく。
観閲式会場までは少し距離がある。
旅は身軽にがモットーの自分は、
ホテルで借りた傘とカメラを守るビニールしか持っていないので、
会場に着く頃には既にズボンはびちょびちょに。
これだけ濡れてしまうと、逆に楽しくなってくる。
観閲式会場は、
来賓席の両側にある盛り土が
一般客用の観覧場所になっていて、
なかなかの好立地だ。
開始時間が近づくと
この天候にも関わらず結構な人が集まってきた。
自衛官は傘をささないが、
観閲式では雨具も着用しない。
緑だった戦闘服も雨に濡れ、
みるみる黒く変色していく。
水たまりに戦闘靴が水没している隊員もいる。
体温を奪われ、震える隊員もいる。
そして雨具を着用しないのは、制服姿の自衛官も同じだ。
制服がずぶ濡れになっても、
気にする様子もなく機敏に行動していく。
天候を理由に人命を危険にさらしてはならない、
そんな北の防人達の気迫と力強い魂を感じた
北千歳駐屯地記念行事であった。
楽しい時間はあっという間です。
ただ3時間以上雨の中、直立不動で撮影していたので、
足は痺れるわ寒いわで、出店で買い物する気力も無く、
しかも今日中に旭川に行かないといけないので、
ホテルへ帰ることに。
ただ無料送迎バスまで1時間もあるので、
自衛官の方に駅まで行く方法を聞いたのですが、
バスもタクシーも無いので歩くしかないとのこと。
何となくそんな気がしてましたよ、、、
カチコチの足を動かし、
キュッキュキュッキュといちいちうるさい濡れた靴音を響かせ、
雨の北海道をひたすら歩いたのでした。
これってリアル「ブギウギ専務」じゃね?
ってちょっと思った。
北千歳駐屯地開庁 第1特科団創隊 64周年記念行事
平成28年6月25日(土) 8:30~15:00
観閲式 10:00~
観閲行進 10:45~
訓練展示 11:20~